シンデレラ体重

「シンデレラ体重」をご存知ですか?

シンデレラ体重とは、別名「モデル体重」とも言われ、テレビや雑誌で活躍する芸能人やモデルのような、スリムな体型に近い体重を表すワードです。若い女性を中心に、このシンデレラ体重を目指してダイエットに取り組む人が大勢います。

しかし、シンデレラ体重は、痩せ過ぎによる健康リスクが高い状態とも言えます。もし、シンデレラ体重を目標に無理なダイエットに取り組まれているとしたら、美と引き換えに、もっと大切な「健康」を犠牲にしているかも知れません。この記事では、シンデレラ体重とはどういったものか?またその危険性についてまとめます。

BMIを把握しよう

BMI皆さんは、「BMI」を意識しているでしょうか?(*シンデレラ体重を知る為に必要)

「BMI」は、身長と体重から割り出される数値で、自分の体型について知るための目安になります。

BMI = 体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]で求められます。

例えば、身長160cmで体重が60kgの場合は、60÷[1.6×1.6]=23 BMI→23です。

この数値が

〜18.5未満……低体重(痩せ)
18.5〜25未満……普通体重
25〜30未満……肥満レベル1
30〜35未満……肥満レベル2
35〜40未満……肥満レベル3
40以上〜……肥満レベル4

と日本では判定されます。この中で、BMIが22となる普通体重が、病気になるリスクが最も低く健康的であると言われています。

例えば160センチの身長の人ならば、22 × 1.6 × 1.6 = 56.3kgが最も病気のリスクが低くなる数値となります。

美容体重とシンデレラ体重

そして、ダイエットの目標として良く掲げられるものに、「美容体重」「シンデレラ体重」と言うものが存在します。これらの言葉がいつから誕生したのかは定かではありませんが、雑誌やテレビ、エステ業界やSNSなどがこうした言葉を発信する内に、世の中に広まって行ったようです。

美容体重

「美容体重」は、一般的にスリムで美しい体型に近い体重とされ、BMIの数値が19〜20になるときの体重とされます。

この体重は美しさと健康を両方を兼ね揃えた体重と言われています。健康的で美しく痩せたいと考え、目指すのであれば、この美容体重を目指すと良いかと思います。

もちろん、標準体重の範囲内であれば、それが一番の理想ではあります。がしかし、標準体重では見た目的に「納得いかない」と思う方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

ちなみに私は165センチなのですが、標準体重は59キロと算出されます。私は人生の最大マックスで64キロになったことがあり、59キロもダイエットの過程で通ってきましたが、やはりこの体重では全く目標の体型とはほど遠く感じました。こんな風に、「標準体重では納得いかない。もう少し痩せて健康的なスリムを目指したい」と思う場合には、美容体重を目指されると良いと思います。

シンデレラ体重

そして、美容体重よりも低くなるのが「シンデレラ体重」と呼ばれるものです。

シンデレラ体重は、BMIの数値が18になる体重となります。

例えば160センチの身長の人ならば、18 × 1.6 × 1.6 = 47.4kgで、標準体重からはかなり低い数値です。

10代〜20代の若い女性の間では、シンデレラ体重が理想の見た目と思っている人が多く、シンデレラ体重を目指してダイエットする人が多くいます。

確かに、芸能人やモデルさんなどは細い人が多いです。私もアパレル業界が長く、特にモデルさんなんかとは関わることも多かったのですが、本当にびっくりしちゃう位細い人が多かったです。私も細いと言われる方ではありましたが、もうレベルが違うと言う感じ。中には骨皮筋右衛門みたいなガリガリの人も人気モデルとして活躍されていましたし、「この世界はどうなってるんだ?」「将来病気にならないかな?」と、当時から心配の目で見ていたのを今でも覚えている位です。そこまでカリガリではないとしても、「健康を心配するレベル」と言う意味では共通される方が多かった印象です。

そうした体型の人が、雑誌やテレビで活躍していて、尚且つ美しいとされる世の中であれば、そこを目指したいと思う人が増えるのは必然でしょう。モデル体型と言われる「シンデレラ体重」になる為に、過度なダイエットをする女性たちが後を絶たないのも・・ある意味仕方がないのかも知れません。

しかし、「低体重・痩せ」と分類されるBMI18.5以下のシンデレラ体重を目指してダイエットをするのは、絶対にお勧め出来ません。この歪んだ世の中をどうにか変えて行きたい!変わってほしい!と思うのが正直なところです・・。

痩せ過ぎによる恐ろしい健康リスク

痩せ過ぎのリスク考え方は人それぞれだし、どの程度の体型を美しいと思うかも人それぞれですが・・痩せすぎは健康ではいられなくなる可能性があるからです。元々の骨格が細くて体質的に太れない人はまた別として、様々な健康リスクがあります。

無月経や将来の不妊に繋がる。低体重児出産のリスク増加。栄養不足によって精神が不安定になる。摂食障害やうつ病のリスクが高まる。骨量が減り、将来骨粗しょう症のリスクが高まる。筋肉量が減り、将来寝たきりのリスクになる。爪や髪、肌がボロボロになる。老けるのが速くなる。認知症のリスク増加。免疫力の低下により病気にかかるリスクが高まる等など・・挙げればきりがないほど痩せすぎには多くのリスクがあります。

更に、無理な食事制限などで変な痩せ方をすれば、周囲からこの様に思われることだってあります・・。

「骨と皮ばかりで女性として魅力を感じない」「病的でかわいそうに見える」「げっそりしていて老けて見える」等。自分では綺麗になっているつもりが、周囲からはこの様なマイナスの目で見られることもあります。

健康的な範囲を超えて、自ら努力して痩せ過ぎること。それって本当に「キレイ」と言えるのでしょうか・・?

痩せすぎは、心身への悪影響がこれだけあることを忘れず、ダイエットの目標はぜひ健康的な範囲で定めていただく様ご注意頂きたいですね。

目標設定は健康的な範囲で(体脂肪率も加味すること)

まずは、BMIが25以上の肥満と判断される方は標準体重を目指していただいて、そして標準体重ではどうしても満足いかない場合には、最終目標として美容体重を目指していただく。それ以下になれば、健康を害するリスクがどんどん高まっていくことを念頭に置いて、目標設定は健康的な範囲で決めて頂くことを強くお勧めします。

また、BMIに関しては「体脂肪率」が加味されていません。あくまで体型を判別する「目安」であって例外も多々あります。

例えばBMIの数値が同じでも、運動習慣があり、筋肉がついてスリムなメリハリボディを手に入れている方もいれば、運動習慣が全くなく、脂肪ばかりの隠れ肥満の人もいます。この両者では、BMIの数値が同じでも見た目は全く違ってきます。こうしたこともありますので、体重だけでなく体脂肪率を下げる努力もしっかりしていく様にしましょう。

ちなみに、健康的とされる体脂肪率の目安は、男性は10〜19%、女性は20〜29%です。この範囲を目指しましょう。

シンデレラ体重=低体重(危険)

とにかく!「シンデレラ体重」なんて聞くと、それがあたかも女性の理想体重であるようにイメージされますが、これはとんでもありません。健康的でいたいのならば、極端な痩せ信仰は捨て、ガリガリの鶏ガラみたいな体型ではない、メリハリのあるヘルシーボディを目指すようにしましょう。

間違ったダイエットで後で泣くのは、他の誰でもなく自分自身ですからね!本当に気を付けてダイエットには取り組まれてくださいませ。