糖質制限は痩せない

近年、ダイエットの方法として糖質制限が絶大な人気を集めていますが、極端な糖質制限には思わぬリスクが伴うことがあります。糖質制限が流行り出す頃から、私は「制限のし過ぎは危険ですよ!」と言い続けてきましたが、そうしたリスクを知らずに極端な糖質制限に取り組み、案の定痩せにくい身体を作ってしまっている人が続出しています。

「食べていないのに痩せない」「運動も食事も頑張っているのに痩せない」そんな悩みがあったとしたら・・そしてもし、糖質制限や極端なカロリー制限を長いこと続けてしまっていたとしたら・・痩せない原因はもしかするとそこにあるかも知れません。心当たりがある場合はぜひ読んでみて下さい。

極端な糖質制限の思わぬリスク

糖質制限極端な糖質制限の思わぬリスク。その1つに、甲状腺機能の低下があります。

まず、甲状腺についてお話しする前に、糖質制限とはなにか?と言うことからご説明しておきます。

糖質制限は、体重を減らすために食事から糖質を大幅に減少させるダイエット法です。糖質は体にとって、メインとなるエネルギー源です。必要な栄養素ですが、摂り過ぎればエネルギーの過剰になり太ってしまいます。その糖質を減らし、エネルギーの供給を減らすことで、痩せようとするのが「糖質制限ダイエット」です。

糖質制限ダイエットは確かに、短期間で体重を減らす効果があります。その為、取り組む人が多くいます。(とは言っても、最初に落ちるのは脂肪ではなく水分がほとんど。大事な筋肉も落ちやすいです。)

また同時に、もっと早く、もっと大きく結果を出そうと、どんどん糖質の量を減らす人もいます。しかし、そこには落とし穴があるのです・・。

甲状腺機能を低下させるリスク

このダイエット法、長期的には健康に悪影響を及ぼす可能性があります。その悪影響の1つが、甲状腺機能への影響です。

甲状腺は、体の代謝を調整する重要なホルモンを分泌する器官です。糖質が不足すると、エネルギー源が不足し、機能が低下することがあります。これにより、甲状腺ホルモンの分泌も減り、結果として代謝の低下を招くのです。代謝が低下すると、体は脂肪を燃焼しにくくなり、これが「痩せにくい体」へと繋がります。

また、甲状腺の機能が低下すると、ホルモンバランスの乱れが起きやすくなります。更年期や生理前など、女性は特にホルモンによる痩せにくさを感じることが良くあると思いますが、そうした状態を招く恐れもあります。

そうして痩せなくなっていくと、もっと糖質を減らそうと考える人が出てきます。こうなると、更なる代謝の低下を招き、「食べてないのに痩せない」と言う、最悪のスパイラルにハマる危険が高まります。

甲状腺機能の低下は、この様に、ダイエットにおいて恐ろしい状況を招きやすくします。だから、極端な糖質制限には取り組むべきではないのです。

糖質は減らせば減らすほど痩せにくくなる

糖質は重要なエネルギー源ですので、毎日の食事で適量補うことが大切です。重要なことは、「適量」にすることであって、減らせば減らすほど良いという訳ではありません。むしろ、減らせば減らすほど代謝が落ち、痩せにくくなるリスクが高まります。

流行っているからとか、早く体重が減るからと言って、安易に飛びつくと痛い目を見る場合がありますので、本当に気を付けて頂きたいと思います。

正しいダイエットに取り組み「痩せやす身体」を手に入れよう

食事の栄養正しいダイエットでは、極端に何かを制限するのではなく、適性のカロリー内で、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。

糖質もタンパク質も、脂質もどれも重要な栄養素です。また、これらを働かせるためのビタミン、ミネラル(野菜や海藻類、きのこ類、果物)、そして食物繊維などもめちゃくちゃ重要!是非、様々な食品から栄養を補い、バランスよく食べることから、健康痩せに繋げてくださいね。