ダイエット薬

「世界肥満デー」の3月4日に、日本初の内臓脂肪減少薬「アライ」が発売されることが発表されました。発売日は来月(2024年)の4月8日。医者の処方なしで薬局で買うことができる薬と言うことで、ニュースなどで大きな注目が集まっていますが・・ご覧になりましたか?ちなみに買いたいと思いますか?

内臓脂肪減少薬「アライ」とは?

内臓脂肪減少薬「アライ」とは、どういった薬なのか?をまずはご説明しますと、食事で摂取した脂肪の約25%を、便と一緒に体外に排出してくれると言うもの。通常、食事によって体内に入った脂肪は、リパーゼと言う酵素の働きによって、小腸から吸収されやすい形に小さく小さく分解されます。そして吸収され、エネルギーとして働いたり体脂肪として蓄積されたりします。

しかしアライは、このリパーゼの活性を抑えて体内での脂肪の分解を一部阻害します。そして、分解できなかった脂肪が体に吸収されずに便として出てくる。そのようなメカニズムです。結果、摂取エネルギーが減り、その分痩せる効果が期待できると言うもの。

「アライ」は本当に痩せる効果が期待できるのか?

つまりは薬が直接体脂肪を減らす働きをするわけではありません。食事から摂り入れた脂質の一部を、体に吸収できないようにするもので、これを飲んだだけでどんどん痩せるわけではないです。イメージとしては、食事の脂質を制限してくれることで、ダイエットの後押しをしてくれると言ったイメージでしょうか。

ちなみに日本人の臨床試験では、生活習慣の改善に取り組みながら1日3回、約1年間にわたり服用した人は、内臓脂肪の面積が約21・5%、腹囲が約4・7センチ減少したとの報告があります。

「生活習慣の改善に取り組みながら」って・・。それが出来るなら、この薬そもそも使う必要ないんじゃない?薬なしでもそれぐらいなら普通に痩せられるんじゃない?と思いますが、相乗効果でこの結果と言うことなのでしょう。脂っこい食事が多い方なんかは、確かにこの薬は効果があると思います。なかなか魅力的ではありますね。

「アライ」の購入条件はなかなか厳しい

では、薬局に行けば誰でも手に入れることができるのか?やせたい人がこの薬を利用しても良いのか?と言うと、残念ながらそう簡単な話ではありません。

まず日本では、女性の痩せすぎが問題視されているため、誰もが無条件で買うことができません。これは当然ですね。日本人女性は特にスリムな人が多いのに、更に痩せようと薬を手にしてしまっては、逆に健康を害す人が増えて別の問題になり兼ねません。そうした危険を防ぐ為にも条件は厳しくあるべきです。その上で、メタボリックシンドロームによる生活習慣病対策としての使用が目的であるため、購入条件は大分厳しくなっています。

アライの購入条件としては・・18歳以上の成人であること。また腹囲(へそ回り)が男性で85センチ以上、女性は90センチ以上の人。そして生活習慣改善の取り組み(食事や運動の改善など)を3ヶ月以上継続し、直近1か月分の記録を提出する事が条件となります。

またBM I指数が35以上の肥満の人や、25以上35未満の人でも、高血圧や脂質異常症、痛風などの診断を受けている人は対象外になるとのことです。こうした条件を薬剤師と相談して、OKが出れば晴れて購入ができるようです。

なかなかの狭き門ですが、この薬を購入する人はいらっしゃるのでしょうか?そもそも、この条件をクリアできる努力が出来る人ならば、自分の努力だけで減量も出来るだろうと、個人的には思うのですが・・。

副作用はある?最大のデメリットは・・

また、副作用を見ても、ちょっと個人的には使用したくないなと、そんな風に思ってしまいました。副作用と言うか・・デメリットとして、便が油っぽくなり、おならと一緒に便が漏れることがある。とのことです。

食事から摂った脂質を便と一緒に出す薬って、クリニックなんかで出しているところもあるのですが、外出先でお尻から油が漏れてしまったり、おならと一緒に脂肪を含んだゆるい便が出てしまって、臭いが凄いことになったとか、下着や服に沁み込んで大変なことになるって話をちらほら聞くのですよね・・。

お出掛け中とか仕事中とか、人といる場面でこんなことになったら本気でシャレにならない・・。おむつとかナプキンでガードして、すぐに取り換えられる状況ならまだしも、そうじゃなければ地獄です・・。しかも、脂を多く含んだ便ですから、洗濯しようにもそう簡単に落とせるものじゃないはず。こう考えると・・とてもじゃないけど、私は使いたくない!と思ってしまいます。もちろん、すべての人がそうなる訳ではないとは思いますが、このリスクがあることを考えると怖いですね。例え痩せることが確約されたとしても・・。

あなたは「アライ」を使用したいと思いますか?

何はともあれ、こうしたやせ薬が薬局で今後買えるようになります。

もしかすると、このアライの存在を知り、「使いたい」と思った方もいらっしゃるかも知れません。使用に関しては必ずしも反対ではありませんが・・しかし、個人的には、購入条件をクリアできる努力が出来るのであれば、薬に頼らず生活習慣の改善に取り組むのが一番かと思います。ダイエットは一生ものだし、その方がリスクもないですしね。

それでも、アライを検討する場合には、以上のような厳しい条件やデメリットがあることも良く考慮したうえで、よーく検討されますことをお勧めします。